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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻11号

2000年10月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

内視鏡的に切除しえた十二指腸gangliocytic paragangliomaの1例

著者: 宮池次郎1 栗山宗彰1 平岡淳1 松尾則行1 川村比呂志1 河村秀康1 石川真紀1 阿部恒一1 大本昌樹1 田丸正明1 仁科恭一郎1 梅田政吉1 黒河達雄2 石川雅士3

所属機関: 1済生会今治病院内科 2済生会今治病院外科 3済生会今治病院病理

ページ範囲:P.1443 - P.1447

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要旨 患者は64歳,女性.検診の上部消化管造影検査にて十二指腸に隆起性病変を指摘.内視鏡検査にて十二指腸乳頭部のやや口側に山田Ⅲ型の径約2cmの表面平滑で軽度凹凸のある粘膜下腫瘍を認め,EUS(endoscopic ultrasonography)にて粘膜下層に低~高エコー輝度の混在する腫瘤を認めた.完全生検目的に内視鏡的切除を施行し,病理組織学的所見より,gangliocytic paragangliomaと診断した.本腫瘍は一般的に良性と考えられているが,本邦における報告例の大半は術前診断できずに膵頭十二指腸切除を含む外科的切除がなされている.したがって,術前診断が重要であり,内視鏡切除による完全生検は診断と治療を兼ねた方法と思われる.本症例は内視鏡的に切除しえた第3例目の症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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