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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻12号

2000年11月発行

今月の主題 早期大腸癌肉眼分類―統一をめざして

序説

誰がために分類はある?

著者: 武藤徹一郎1

所属機関: 1癌研究会附属病院

ページ範囲:P.1457 - P.1458

文献概要

 日本人は分類の好きな民族のようだ.Borrmann分類など世界で誰も使っていないのに,日本ではいまだに使われている.使わないことに決めたのに長い間の習慣のためか,学会や雑誌などではいまだに少なからずお目にかかる.本家のドイツ人に聞いてもBorrmann分類を知っている人はほとんどいないのに…….早期胃癌分類がそれなりに広く普及し,国際的にも認められるようになったが,この分類についても何度も討議が繰り返されてきたものである.それも決してすんなりと落ち着いたわけではなく,いまだに異論が出されたりしているが,さすがにもう公の場で討議されるようなことはなくなった.

 早期大腸癌の分類は初めから早期胃癌分類に準じて提案されたものであるが,当初は早期大腸癌の実態が隆起型(Ⅰ型)を除いてほとんど不明であったこと,大腸病変の特徴として良性病変(腺腫)の肉眼分類にも適用可能なものでなくてはならないこと,予想外の病変(結節集簇様病変など)が存在することが明らかになったこと,などの理由で,肉眼分類が再三議論の対象になっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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