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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻12号

2000年11月発行

文献概要

今月の主題 早期大腸癌肉眼分類―統一をめざして 主題

早期胃癌肉眼分類の問題点

著者: 八尾恒良1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科

ページ範囲:P.1459 - P.1463

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要旨 早期胃癌の肉眼分類は,X線医,内視鏡医,外科医,病理医の白熱した議論の下に合意され決定した分類である.肉眼分類が決定したあと,問題点とされた点は,①Ⅰ,Ⅱaなど肉眼型の境界部にある病変の分類,②肉眼型にhistogenesisを反映させたいという“想い”,③診断と肉眼標本観察法の精密化に基づく分類への疑問などに要約される.これらの問題点の解決法としては“肉眼分類”という原点に返ること,亜分類を付記する方法[Ⅱc(+Ul)など]が提案されている.早期胃癌の肉眼分類はあくまでも病理学的に早期胃癌と診断された病変の凹凸に基づく“肉眼”分類でhistogenesisや浸潤様式,組織学的分類,癌の“生物学的態度”についての記載や議論とは次元が異なっている.そして,分類の単純さが広く専門領域を越えて受け入れられ40年間も用いられた理由と考えられる.大乗的立場に立った早期大腸癌肉眼分類についての議論が望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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