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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻12号

2000年11月発行

文献概要

今月の主題 早期大腸癌肉眼分類―統一をめざして 主題

病理組織学的にみた早期大腸癌肉眼分類―大腸の特異性からみて

著者: 大倉康男1

所属機関: 1埼玉県立がんセンター臨床病理部

ページ範囲:P.1491 - P.1498

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要旨 早期大腸癌の肉眼分類について病理組織学的立場から検討し,分類の諸問題について考察した.大腸組織の特異性からは,大腸癌の肉眼型として隆起性病変が多いこと,有茎性病変が少なくないことが挙げられるが,いずれも既に知られていることである.肉眼分類はそれを行う場の違いにかかわらず,病変をありのままに見て行うことが基本であり,癌組織から成る部分を形態表現すべきである.その観点からは,癌の辺縁にみられる過形成性隆起,Ⅰp型の茎は非腫瘍であることから癌の肉眼型には入れずに茎として別に付記すればよいと思われる.また,肉眼分類は深達度とは別に行い,癌粘膜進展部分を分類している現行の0型と浸潤部分を分類している1~4型に当てはめることが,臨床と病理の肉眼型の違いを少なくするものである.そのような肉眼分類は改訂された胃癌取扱い規約と同じものとなり,胃癌の肉眼分類に準ずるとした記載とも整合性のあることにもなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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