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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻13号

2000年12月発行

今月の主題 21世紀への消化管画像診断学―歩みと展望

主題

臓器別からみた形態診断学―食道

著者: 吉田操1

所属機関: 1東京都立駒込病院外科

ページ範囲:P.1603 - P.1612

文献概要

要旨 内視鏡とヨード染色によるスクリーニング検査法の確立は,食道粘膜癌の診断を実現,その大部分がEMRにより根治が可能となった.EMRの適応がm1,m2であるため粘膜癌の深達度に関する精密診断が必要となった.新肉眼病型分類は粘膜下層癌と粘膜癌の鑑別を容易にし,深達度亜分類が病態研究の利便性を高めた.更にトルイジンブルー・ヨードニ重染色法やEUS(20MHz)の機器の開発が診断精度を向上させ,上皮内癌の診断精度は83%,粘膜固有層癌94%,粘膜下層癌88%と進歩を示した.X線診断はスクリーニングならびに精密診断の主役を内視鏡に譲り渡したが,近年復活しつつある.特にm3,sm1癌の精密診断における有効性が期待されている.この領域においては,画像診断,病理,治療,病態の理解などが良好な関係を保ち,顕著な進歩を遂げた.引き続きこの方向を進み更なる進歩が期待できると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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