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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻13号

2000年12月発行

文献概要

消化管病理基礎講座

腫瘍の組織所見に関する用語(1)

著者: 池上雅博1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学病理学講座

ページ範囲:P.1675 - P.1679

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 はじめに

 腫瘍の組織所見に関する用語について解説するが,既に承知されているように,腫瘍は上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍に分類される.今回は,消化管でより高頻度にみられる上皮性の腫瘍について解説する.

 解説に先立ち,異型性(atypism)という用語について理解する必要がある.腫瘍の特徴として,自律性増殖,脱分化,生体からの脱統御などが挙げられる1).腫瘍はその発生母組織と形態的(細胞レベル,構造レベル),機能的に類似性を示しつつ,隔たり(異常)を示す2).このことを腫瘍の脱分化性と言う.腫瘍が正常細胞や正常構造とどのように異なるのか,そのかけ離れを形態的に表現する際に異型性という用語を使用する.異型性は,大きく分けて細胞異型と構造異型から成り,これらの異型性が強いほど一般的には腫瘍の悪性度が高いと判断される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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