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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻2号

2000年02月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患における生検の役割 主題

炎症性腸疾患における生検診断の現況

著者: 石黒信吾1 真能正幸1 春日井務1 山登直美1

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理検査科

ページ範囲:P.137 - P.142

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要旨 生検診断をする病理医の立場からみると,炎症性疾患は,生検組織のみから確定診断できる組織学的に特異性のある所見を持つ疾患と,肉眼的には特徴を持つが,組織学的に特異性のある変化に乏しく非特異性の変化を総合判断して診断する疾患に分かれる.前者の場合でも生検で特異性のある所見を有する部位が採取されていなければ後者と同様に診断する.多くの場合は,臨床的に診断された疾患名に基づいて,その疾患の肉眼像を思い浮かべて診断する.したがって,臨床医は正確な臨床診断を下すことが必要なのはもちろんであるが,更に診断するに至った画像を含めたすべての情報を病理医に与えることが必要である.また病理医が手術材料を切り出して診断するのと同様に画像の異なる各部位からの組織採取が必要である.癌の診断と異なり臨床所見なしに生検のみで診断できる炎症性疾患は数少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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