icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻2号

2000年02月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患における生検の役割 主題

炎症性腸疾患における生検診断のピットフォール―病理と臨床への提言

著者: 斎藤建1 櫻井信司1 高屋敷典生1

所属機関: 1自治医科大学病理学第2

ページ範囲:P.143 - P.148

文献購入ページに移動
要旨 現在の日本の生検診断は,Crohn病について辛く,潰瘍性大腸炎については甘い傾向にあるので,inflammatory bowel disease(IBD)≒Crohn病+潰瘍性大腸炎という理解を一般的にし,IBDであることは確実だが,両者の鑑別が困難な生検はIBD,NOS(not otherwise specified)と診断すべきではなかろうか.そうすれば二者択一による誤診が防げる.またIBDの生検診断基準は厳密でなければならず,IBDを示唆する所見があってもbasal plasmacytosisを欠く場合は,possible IBD,あるいはindefinite IBDと診断して,一過性大腸炎(acute selflimited colitis)との鑑別に努めるべきである.colitis,non-IBD typeと診断した場合は,原因追究の努力を怠らないことも重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?