icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻2号

2000年02月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患における生検の役割 主題

潰瘍性大腸炎・Crohn病の鑑別診断における生検の役割―病理の立場から

著者: 岩下明徳1 尾石樹泰1 蒲池紫乃1 田中仁1 溝ロ幹朗1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.159 - P.166

文献購入ページに移動
要旨 潰瘍性大腸炎(UC)とCrohn病(CD)の肉眼・組織像,両疾患の生検診断に有用な組織像,両疾患の生検鑑別診断,“indeterminate”colitisなどについて,病理形態学的立場から概説した.その後で,上記事項を十分把握しているつもりの筆者らの施設における両疾患の日常生検診断の実態を分析した.その結果,UC(277人,生検回数699回)の生検診断の正診率は71.5%,CD(209人)の正診率は54%(大腸生検のみでは38.3%で,これに上部消化管生検での率を加えたもの)と予想外に低い値であった.これらの事実から,IBDの生検診断は考えられている以上に容易とは言い難く,その診断は,臨床像と経過,X線像,内視鏡像が主であって,生検診断はむしろ従であるとの認識が大切であることを強調した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?