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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻2号

2000年02月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患における生検の役割 主題

潰瘍性大腸炎・Crohn病の鑑別診断における生検の役割―病理の立場から

著者: 田中正則1

所属機関: 1弘前大学医学部第2病理

ページ範囲:P.167 - P.172

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要旨 潰瘍性大腸炎(UC)とCrohn病(CD)は,最近の診断基準の進歩により,積極的かつ客観的に生検診断できるようになった.診断は,第一段階で特発性炎症性腸疾患(IBD)とIBD以外の大腸炎(non-IBD)を,第二段階でUCとCDを鑑別する方法に従うのが最も実際的である.IBDとnon-IBDの診断基準の精度は一般に高く,97%を超えるものがある一方で,UCとCDについては感度と特異度を両立させることが困難であった.しかし,組織所見の大腸内分布を反映させた新たな診断基準では,実用的レベルの感度(89~94%)と特異度(97%以上)を達成している.病理診断に寄与できる質の高い生検を採取するために,内視鏡医も診断基準の内容を十分把握しておく必要があろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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