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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻2号

2000年02月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

大腸のsegmental hypoganglionosisにより慢性偽性腸閉塞症を来した1例

著者: 黒木文敏1 飯田三雄1 垂水研一1 小堀陽一郎1 松本主之1 末兼浩史1 武田昌治1 星加和徳1 岩本末治2 三上芳喜3

所属機関: 1川崎医科大学消化器内科Ⅱ 2川崎医科大学消化器外科 3川崎医科大学病理

ページ範囲:P.215 - P.221

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要旨 患者は49歳,男性.9年前に神経Behget病を発症し当医院神経内科に人院.このとき行った大腸X線検査では明らかな異常所見を認めなかった.9か月前より腹部膨満感排便困難が出現し経口摂取が困難となり,近医で治療を受けたが改善しないため当科入院となった.大腸X線検査にてS状結腸から下行結腸に栂指圧痕様の腸管の伸展不良を認め口側の腸管は拡張していた.大腸内視鏡検査で同部位の腸管はspasticで伸展不良を認めたが粘膜面に異常はなかった.他の消化管には明らかな異常は認めず,病変は大腸に限局していると考えられたため大腸亜全摘術を施行した.切除標本の検索にて,S状結腸から下行結腸においてAuerbach神経叢とMeissner神経叢の神経節細胞が著明に減少していた.本例は,後天性に生じた分節状のhypoganglionosisにより慢性偽性腸閉塞症を来したものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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