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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻2号

2000年02月発行

文献概要

症例

胃原発性小細胞癌の1例

著者: 青柳慶史朗1 孝冨士喜久生1 矢野正二郎1 村上直孝1 堀晴子1 寺崎泰宏1 武田仁良1 白水和雄1 中原慶太2 立石秀夫2 川畑力丸3 林逸郎3

所属機関: 1久留米大学医学部外科 2久留米大学医学部第2内科 3久留米大学医学部病理

ページ範囲:P.246 - P.250

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要旨 われわれは,まれな胃原発性小細胞癌の1例を経験したので報告する.患者は71歳の男性,術前肉眼診断は2型で,形態的には悪性リンパ腫が疑われたが,生検ではtub2であった.手術は幽門側胃切除を施行した.組織学的には,腫瘍細胞は粘膜下主体の増殖を示し,多形性に富み,N/C比大の異型細胞が一部腺管状あるいは索状の増殖を示しながら充実性に増殖しており,核分裂像が目立ち,ロゼット様構造も認められ,Grimelius染色陽性,Chromogranin染色陽性であり,電子顕微鏡で神経内分泌顆粒を認めたことにより小細胞癌と診断した.また,一部周堤の粘膜内に高分化型管状腺癌を認めた.小細胞癌の予後は非常に不良であり,術後注意深い経過観察が必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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