icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻3号

2000年02月発行

特集 消化管ポリポーシス2000

主題症例

著明な低蛋白血症を呈した胃限局性若年性ポリポーシスの1手術例

著者: 平田敬治1 杉山朝子1 日暮愛一郎1 中山善文1 岡本好司1 小西鉄巳1 永田直幹1 伊藤英明1 渡辺秀幸2 村里嘉信3 平野芳昭4

所属機関: 1産業医科大学第1外科 2産業医科大学放射線科 3産業医科大学第2内科 4ひらのクリニック

ページ範囲:P.445 - P.450

文献概要

要旨 患者は63歳,女性.57歳時胃ポリポーシスを指摘され,その後下腿・顔面の浮腫および心囊液貯溜を認め,鉄欠乏性貧血および低蛋白血症が持続していた.今回自覚症状の増強および胃ポリポーシスの増大傾向を認め,内科的治療にも抵抗性であるため胃全摘術を施行した.摘出標本では,胃全体に無数の丈の高いポリープが密生しており,一部皺襞の肥厚も認めた.他消化管ならびに皮膚・粘膜・毛髪・爪に異常所見を認めず,病理組織検査を含め胃限局性若年性ポリポーシスと診断した.若年性ポリポーシスの胃限局型は自験例を含め本邦で16例報告されており,そのうち7例は腺癌を合併していた.一般に若年性ポリポーシスは組織学的に非腫瘍性の過形成性病変で,癌化は少ないとされていたが,本邦報告例の検討ではneoplastic potentialの存在も示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら