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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻4号

2000年03月発行

文献概要

今月の主題 食道癌の発育進展―初期病巣から粘膜下層癌へ 主題研究

発育進展からみた食道粘膜下層癌の病型分類の問題点

著者: 吉田操1 門馬久美子2 葉梨智子1 加藤剛1 廣瀬太郎1 原義明1 加藤久人2 山田義也2 小沢広2 荒川丈夫2 榊信廣3 小池盛雄4

所属機関: 1東京都立駒込病院外科 2東京都立駒込病院内科 3東京都立駒込病院内視鏡科 4東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.547 - P.556

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要旨 食道表在癌258症例(354病巣)を分析し,食道癌の発育進展について検討した.食道扁平上皮癌の場合,長径5mm以下の病変の大部分は0-IIb型病変で臨床的に診断できる初期病変と考えられる.IIb病変は,20mmを超えるといっせいに他の0-II型病変(0-IIaや0-IIc型粘膜癌)に移行すると考えられる.「食道癌取扱い規約」で言う0-II型は粘膜癌の特徴をよく捉えている.食道粘膜癌の一部は0-IIb→0-IIa→IIa+IIcを経由するが,大部分は0-IIb→0-IIc→IIc+IIa→IIc+0-1あるいはIlc+0-IIIを経由して1型または2型進行癌に発育する.粘膜下層に浸潤する0-IIc病変の一部は,肉眼所見上進行癌との区別が困難なものがあり,病型分類上問題が残っている.その病型分類に際しては,できるだけ基本病型を適用することが適当と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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