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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻4号

2000年03月発行

文献概要

今月の主題 食道癌の発育進展―初期病巣から粘膜下層癌へ 主題研究

食道表在癌の細胞増殖能および血管新生に関する免疫組織学的検討

著者: 千野修1 幕内博康1 水谷郷一1 島田英雄1 西隆之1 田仲曜1 大芝玄1 木勢佳史1 剱持孝弘1 姫野信治1 田島隆行1 山本壮一郎1 原正1 町村貴郎1 田島知郎1 長村義之2

所属機関: 1東海大学医学部外科 2東海大学医学部病理

ページ範囲:P.563 - P.571

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要旨 食道表在癌の発育進展動態を考察する目的で,腫瘍細胞増殖能および血管新生と臨床病理学的因子との関連について免疫組織化学的に検討した.術前未治療で外科的切除術を施行した胸部食道扁平上皮癌を対象とした.細胞増殖能についてはモノクローナル抗体MIB-1を用い腫瘍細胞1,000個の標識率を測定した.また,血管新生については第VIII因子関連抗原(factor VIII related antigen)を用い腫瘍内部と腫瘍辺縁正常部の平均血管数,平均血管面積(%)を算出した.MIB-1標識率は深達度m1・m2に比較しm3以上で,また,リンパ節転移(n)陽性,リンパ管侵襲(ly)陽性,低分化型症例で有意に高値を示した.腫瘍内平均血管面積はm1・m2がm3以上に比較して有意に低値であり,m1・m2における腫瘍内平均血管面積は腫瘍外に比較して有意に低値であった.以上から,食道癌がm3に浸潤する時点から細胞増殖能が増加し,その過程には腫瘍内血管新生の関与が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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