icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻4号

2000年03月発行

--------------------

書評「開業医のための消化器クリニック」 フリーアクセス

著者: 多田正大1

所属機関: 1多田消化器クリニック

ページ範囲:P.572 - P.572

文献概要

 医療が高度化するに伴なって,医師が修得しなければならない知識や技術があまりにも膨大になり,その結果,自らが得意とする分野とそうでない領域の格差が拡がってしまった.特に専門医が大勢いる大病院の勤務医は自らの専門分野にのめり込み,異なる領域の疾患や臓器については関心が薄くなる傾向がみられるが,現代医療のpitfallである.京都・仁和寺の歴代の御抱え庭師である佐野藤右衛門氏は著書「桜のいのち庭のこころ」(草思社〉の中で,専門化された現代医療を痛烈に椰楡している.その内容を要約すると"昔の町医者は患者の家族構成,生活環境,食生活まですべてを把握しているので,病人がでてもすぐに対応できる.ところが今の病院では,医者は患者を診ずに検査データばかりで判断している.これでは良い医療にならない."という主旨である.

 何とも耳の痛いところである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら