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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻4号

2000年03月発行

今月の主題 食道癌の発育進展―初期病巣から粘膜下層癌へ

主題症例

1年6か月間追跡しえた食道小細胞癌の1例

著者: 細川治1 海崎泰治2 谷川一夫3 裴英沫1 林裕之1 道傳研司1 服部昌和1 渡辺国重1

所属機関: 1福井県立病院外科 2福井県立病院病理 3鯖江市谷川病院内科

ページ範囲:P.573 - P.578

文献概要

要旨 患者は58歳,女性.食道内視鏡検査で中部食道後壁に褪色したヨード不染の約0.5cmの小陥凹を見いだした.生検で小型の異型細胞が得られたが再検査を拒否した.1年6か月後に嚥下時の不快感のために再検査を受け,食道小細胞癌と診断された.同病変はX線的には立ち上がりの明瞭な隆起病変であり,頂部の左側にバリウム斑が存在した.内視鏡的には光沢を有する軽度発赤した結節状隆起部とヨード不染,トルイジンブルー濃染の陥凹部から成り立っていた.切除標本で大きさ1.5×1.3cmの腫瘍は上皮下に発達した0-Isep型をなし,深達度はsm3に達していた.腫瘍の大部分は小細胞癌組織で構成されているが,わずかに腺癌成分も含んでいた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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