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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻5号

2000年04月発行

今月の主題 Helicobacter pylori除菌後の消化性潰瘍の経過―3年以上の症例を中心に

主題

胃潰瘍と十二指腸潰瘍における再発因子としてのHelicobacter pyloriの重要度

著者: 佐々木誠人1 城卓志1 横山善文1 妹尾恭司1 鈴木英夫1 片岡洋望1 渡辺勝志1 等々力勇三1 伊藤誠1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1内科

ページ範囲:P.647 - P.654

文献概要

要旨 Heliobacter pylori(H. pylori)を除菌した147例の胃・十二指腸潰瘍患者の再発につき検討した.経過観察期間は平均24か月(6~55か月)で,H. pyloriの再陽性化とNSAIDs潰瘍を除いたH. pylori持続陰性非NSAIDsの再発は5.4%(8/147)であった.除菌後から再発までの平均期間は2.6か月で,そのほとんどが1か月以内の再発であり,10か月以降の再発はみられなかった.すなわち,除菌後およそ1年以降の潰瘍再発は極めてまれで,除菌により長期間,潰瘍の再発が抑制されることが明らかとなり,H. pylori除菌の重要性が確認された.しかし,除菌後早期に潰瘍の再発が起こる機序は明らかでなく,今後の解明が待たれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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