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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻5号

2000年04月発行

今月の主題 Helicobacter pylori除菌後の消化性潰瘍の経過―3年以上の症例を中心に

主題

Helicobacter pylori除菌後の消化性潰瘍の経過からみた除菌法のあり方

著者: 杉山敏郎1 西川恵子1 浅香正博1 穂刈格2 加藤元嗣2

所属機関: 1北海道大学大学院分子病態制御学消化器病態内科学 2北海道大学付属病院光学医療診療部

ページ範囲:P.655 - P.660

文献概要

要旨 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の2大要因はHelicobacter pylori(H. Pbllori)とNSAIDsである.高い除菌率が得られる除菌治療と正確な除菌判定を行い,3年以上経過観察できた.H. pylori潰瘍(50例)では,再発は胃潰瘍では2例(8.7%),十二指腸潰瘍では0%であった.再発した胃潰瘍2例のうち1例はNSAIDs潰瘍で,他の1例は非H. pylori非NSAIDs潰瘍であった.胃潰瘍の成因を解析した検討では非H. Pylori胃潰瘍の頻度は49%であり,3.3%はNSAIDs潰瘍で,非H. pylori非NSAIDs潰瘍は1.6%にすぎない.この頻度はH. pylori除菌後に再発した胃潰瘍の再発要因の頻度に類似する.十二指腸潰瘍ではH. pylori除菌後に再発する潰瘍は更にまれである.H. pylori除菌後に潰瘍再発をみた場合,まずH. pylori再陽性化を検討し,ついでNSAIDs使用の有無を考慮すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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