icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻5号

2000年04月発行

早期胃癌研究会症例

興味ある形態を呈した盲腸結節集簇様病変の1例

著者: 泉信一1 野村昌史1 三好茂樹1 小山内学1 春山恭子1 高橋邦幸1 渡辺晴司1 辻邦彦1 伊藤英人1 潟沼朗生1 姜貞憲1 桜井康雄1 宮崎恭介1 中村文隆1 道家充1 真口宏介1 篠原敏也2

所属機関: 1手稲渓仁会消化器病センター 2手稲渓仁会消化器病センター病理

ページ範囲:P.683 - P.688

文献概要

要旨 患者は67歳,男性.スクリーニングを目的に施行した大腸内視鏡検査で盲腸に大きさ40mmの結節集簇様病変を認めた.病変は比較的小型で均一な丈の低い結節により形成されていたが,中央部に発赤調で類円形を呈するIIa+IIc様の部分を認めた.発赤部分のpitは消失し無構造を呈しており,粘膜下層以深へ浸潤した癌が疑われ,周辺の結節部分についてはその性状から腺腫の可能性が高いと考えられた.注腸X線検査では,病変は大きさ40mmの結節の集簇として抽出され,中央に大きさ15mmの類円形の浅い陥凹を認めた.細径超音波プローブ所見を加味し,病変は中央部分で粘膜下層にmassiveに浸潤した癌と診断し,腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.病理組織学的には,病変は中央の陥凹部分で深達度sm3まで浸潤した中分化腺癌であり,周辺の結節部分は中等度異型腺腫であった.病変の形態,発育進展において興味ある症例と思われ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら