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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻5号

2000年04月発行

早期胃癌研究会症例

特異な形態を呈し虫垂癌との鑑別が困難であった盲腸癌の1例

著者: 佐々木伸一1 江頭由太郎2 平田一郎1 栄楽周子1 山内宏哲1 浜本順博1 森川浩志1 前村憲太朗1 滝内比呂也1 田中雅也1 勝健一1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2大阪医科大学第1病理

ページ範囲:P.689 - P.693

文献概要

要旨 患者は62歳,男性.軟便と体重減少の精査目的で当科外来を受診した.注腸X線検査と大腸内視鏡検査で,盲腸底部に中央がポリープ状に隆起した潰瘍性病変を認めた.結腸型虫垂癌と診断し,回盲部・上行結腸切除術を施行した.虫垂開口部を含む盲腸底部に34×31mm大の潰瘍性病変を認め,中心にポリープ状の隆起があり,潰瘍辺縁に結節状の周堤隆起を伴っていた.ポリープ状隆起のほぼ中心に虫垂開口部が存在した.病理組織学的には病変は深達度がseに達する2型の中分化腺癌であった.脈管侵襲はly2,v3,リンパ節転移はn2,肝転移はH2であった.一方,中心の隆起は非腫瘍性で虫垂開口部から粘膜脱を来した虫垂粘膜で形成されていた.特異な形態を呈した盲腸癌で,大腸癌の発育進展形式を考えるうえで貴重な症例と思われ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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