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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻5号

2000年04月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

びまん性十二指腸炎の合併をみた潰瘍性大腸炎の1例

著者: 坂充1 折笠博史1 高木忠之1 山本豪1 入澤篤志1 関根英治1 佐藤宏1 吉岡良二1 大平弘正1 宮田昌之1 小原勝敏1 粕川禮司1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部第2内科

ページ範囲:P.694 - P.699

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要旨 患者は31歳,男性.24歳時発症の全大腸炎型の潰瘍性大腸炎の症例であり,薬物療法による緩解維持が困難であった.外科治療目的に当院へ紹介となった.嘔気と心窩部痛に対して行った上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部から下行脚にかけて粘膜のびまん性の発赤とKerckring皺襞の腫大および多発するびらんが認められた.生検組織所見では粘膜層に著しい炎症細胞の浸潤と陰窩膿瘍が認められた.十二指腸病変はヒスタミン受容体拮抗薬に反応せず,methylprednisoloneの500mg/日3日間療法に反応し,緩解した.緩解時に結腸全摘除術が施行された.prednisoloneが漸減され10mg/日の維持療法時に腹痛はなかったが,上部消化管内視鏡検査で十二指腸炎の再燃が認められ,生検組織像で,前回有症状時と同様の炎症細胞の浸潤と陰窩膿瘍が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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