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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻5号

2000年04月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

健康成人に発症したサイトメガロウイルス関連急性胃粘膜病変の1例

著者: 前山浩信1 白田香1 森宏光1 神谷仁1 倉石章1 原悦雄1 上條寿一1 松田至晃1 和田秀一1 渡辺正秀2

所属機関: 1長野赤十字病院消化器科 2長野赤十字病院病理

ページ範囲:P.705 - P.711

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要旨 患者は50歳,男性.発熱,全身倦怠感,心窩部痛,体重減少を主訴に当科紹介入院となった.血液検査では異型リンパ球を伴った白血球上昇と軽度肝機能障害を認めた.上部消化管内視鏡検査では前庭部に浮腫,びらんおよび顆粒状隆起がみられ,胃角から体上部小彎にかけて不整形の浅い潰瘍を認めた.血清学的にcytomegalovirus(CMV)の抗原血症が陽性であったため,CMV感染症と診断した.胃生検組織標本にて封入体細胞が確認され,胃粘膜病変はCMV感染によるものと診断した.CMV感染症は日和見感染として知られているが,本例は健康成人に発症したCMVによる急性胃粘膜病変の1例であり,極めてまれであるため報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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