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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻5号

2000年04月発行

早期胃癌研究会症例

粘膜病巣の大きさが2mmであった進行胃癌の1例

著者: 細川治1 海崎泰治2 谷川一夫3 津田昇志1 渡辺国重1 道傳研司1 林裕之1

所属機関: 1福井県立病院外科 2福井県立病院病理 3鯖江市谷川病院内科

ページ範囲:P.712 - P.716

文献概要

要旨 患者は68歳,女性.胃集検後の精検により,胃体上部後壁の病巣を見いだした.X線検査では低い隆起の頂部に小陥凹を有する病巣が描出され,内視鏡検査では隆起は軽度発赤して,色素撒布により周囲粘膜と同様の小区像を有することが確認された.小陥凹からの生検で印環細胞癌が得られ,噴門側胃切除術を行った.切除標本で径1mmの小陥凹がわずかに発赤した低い隆起の上に存在した.組織学的には粘膜筋板は保たれているが,印環細胞癌が粘膜下層には線維化を伴って拡がり,一部は固有筋層の中に浸潤していた.癌浸潤範囲は粘膜層では2mm,粘膜下組織では10mmであった.prelinitis plastica型胃癌に相当する症例ではないかと推論された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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