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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻6号

2000年05月発行

文献概要

今月の主題 腸管の血管性病変―限局性腫瘍状病変を中心に 序説

腸管の血管性病変―限局性腫瘍状病変を中心に

著者: 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学医学部内科

ページ範囲:P.741 - P.742

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はじめに

 腸管の血管性病変の代表的疾患は虚血性腸炎である.高齢者の増加と食生活の欧米化が原因と考えられるが,従来わが国では比較的まれと考えられていた虚血性腸炎も今では日常臨床でしばしば遭遇する疾患となった.大腸の虚血性腸炎や腸問膜血管の閉塞など,虚血によって引き起こされる病像は多彩であり,また多くの炎症性腸疾患でも血流ならびに微小循環障害が,病態と密接に関連していることが知られている.腸の血管性病変の大部分はびまん性あるいは分節性であることが特徴であることはよく知られている,これら虚血性腸病変については「胃と腸」28巻9号で主題に取り上げられ,白壁彦夫先生の詳しい序説をはじめ優れた論文が発表されている.したがって本号では虚血性腸病変は除外し,限局性血管性病変を取り上げ,その臨床病理学的特徴を明らかにすることを目指した.この中には,動静脈奇形,angiodysplasia,腫瘍状病変(血管腫,血管肉腫),変性疾患などが含まれるが,今回は動静脈奇形,angiodysplasiaおよび腫瘍状病変に限定した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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