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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻6号

2000年05月発行

今月の主題 腸管の血管性病変―限局性腫瘍状病変を中心に

主題

腸管の血管性病変の病理学的鑑別診断

著者: 岩下明徳1 尾石樹泰1 八尾隆史2 田中彰一3

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理 2九州大学大学院医学研究院形態機能病理 3国立岩国病院内科

ページ範囲:P.771 - P.784

文献概要

要旨 腸管の血管性病変の名称・分類法,臨床病理像および鑑別診断につき,病理形態学立場から,概説し文献的考察を加えた.一群の病変中,特に血管異形成と動静脈奇形間には用語・分類法に多少の混乱がある.前者は後天性変性性病変で高齢者に多く,病巣は小さく多発性傾向があり,粘膜下層と粘膜に限局し,組織学的には拡張・屈曲した静脈,細静脈,毛細血管から成るという特徴を示した,これに対し後者は先天性過誤腫性病変で若年者にみられ,病巣は大きく単発性で,粘膜から漿膜までの腸壁全層に及び,光顕的には比較的大きな静脈と動脈から構成され,両血管間には吻合ないし移行像が認められるという特徴を有していた.以上から両疾患は明確に区別して診断し分類すべきと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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