icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻6号

2000年05月発行

文献概要

今月の主題 腸管の血管性病変―限局性腫瘍状病変を中心に 主題症例

食道静脈瘤様の所見を呈した終末回腸動静脈奇形の1例

著者: 西村拓1 櫻井俊弘1 帆足俊男1 戸原恵二1 植木敏晴1 松井敏幸1 八尾恒良1 小野広幸2 尾石樹泰3 岩下明徳3 立石訓己4 二見喜太郎4 佐田耕一郎5

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院放射線科 3福岡大学筑紫病院病理 4福岡大学筑紫病院外科 5米の山病院

ページ範囲:P.785 - P.791

文献購入ページに移動
要旨 特異な形態を示した回腸動静脈奇形の1例を報告した.患者は54歳,女性.1997年,高度貧血の原因精査目的で当院に入院した.小腸X線検査では,終末回腸に約15cmにわたり縦長で軟らかい連珠状の隆起性病変を認めた.大腸内視鏡検査では隆起は正常粘膜に覆われ,やや青みがかった軟らかな病変で,血管性病変と診断した.上腸間膜動脈の血管造影では,回結腸動脈の拡張と,回腸末端を中心にnidusと思われる血管叢を認め,静脈相では早期静脈環流が出現していることより,上腸間膜動脈と上腸問膜静脈の動静脈奇形と診断した.高度の貧血を繰り返していたので,回盲部切除術施行.切除標本の病理組織学的検索にて,動静脈奇形と確診した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?