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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻6号

2000年05月発行

今月の主題 腸管の血管性病変―限局性腫瘍状病変を中心に

主題症例

大腸血管拡張症の1例

著者: 加藤俊幸1 斎藤征史1 船越和博1 秋山修宏1 小堺郁夫1 佐藤浩一郎1 小越和栄1 太田玉紀2

所属機関: 1県立がんセンター新潟病院内科 2県立がんセンター新潟病院病理

ページ範囲:P.792 - P.796

文献概要

要旨 患者は39歳の男性.痔瘻と痔核の術後,右下腹部痛と灼熱感が持続し来院した.盲腸から上行結腸に拡張蛇行した血管と赤色斑紋の集簇した病変を認めた.終末回腸とS状結腸にも斑状発赤を認め,大腸血管拡張症と診断した.血管造影では回結腸動脈の末梢で火炎状に拡張蛇行した動脈と静脈への早期還流を認めた.下血や貧血はなかったが,右下腹部痛が持続したため盲腸上行結腸切除術を施行した,組織学的にも粘膜固有層と粘膜下層に拡張した小血管の集簇を認め,粘膜下層では動脈と静脈が隣接し移行が確認できた.大腸内視鏡検査では,1.2%(308/25,576例)に血管拡張症を認めているが,そのうち動静脈奇形として切除したのは本例だけである.その内視鏡所見は特徴的であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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