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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻6号

2000年05月発行

文献概要

今月の主題 腸管の血管性病変―限局性腫瘍状病変を中心に 主題症例

小腸血管腫の1例

著者: 尾関豊1 飯塚篤2 菊地和人2 大西佳文2 山崎等3

所属機関: 1国立東静病院外科 2国立東静病院内科 3東海大学医学部病理診断科

ページ範囲:P.814 - P.818

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要旨 患者は42歳の女性.30歳時にタール便で輸血を受け,今回再びタール便があり輸血の後に当院へ紹介された.入院時血色素8.8g/dlの貧血を認めたが,上部および下部消化管内視鏡検査では異常なく,小腸X線で骨盤内の小腸に約10cm長の粘膜下腫瘍を認め,CTで同部に7cm大の低吸収域とその一部の石灰化を認めた.血管造影では異常なし.以上の所見から小腸血管腫を疑い,手術を施行した.小腸のほぼ中央に異常血管の集簇を認め,小腸部分切除術を施行した.術中小腸内視鏡では結節状の隆起性病変を認め,切除標本の割面では凝血塊を入れた大小多数の囊胞状構造を認めた.組織学的には内皮細胞に裏打ちされた管腔構造の集まり,で,免疫組織化学染色で抗第VIII因子抗体,抗CD34抗体および抗smooth muscle actin(SMA)抗体に陽性であった.以上から小腸血管腫と診断した.出血を伴った小腸リンパ管腫との鑑別を考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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