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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻6号

2000年05月発行

早期胃癌研究会症例

胃病変を合併したlymphangiomatosisの1例

著者: 川合耕治1 小俣俊明1 高相和彦1 堀家誠一1 望月仁1 広瀬雄一1 磯野真由樹1 芦沢一喜2 高橋章弘2 小山敏雄3 高瀬優3

所属機関: 1山梨県立中央病院内科 2山梨県立中央病院外科 3山梨県立中央病院病理科

ページ範囲:P.845 - P.852

文献概要

要旨 患者は23歳,女性.労作時息切れを主訴に来院,著明な貧血を認め入院となった.内視鏡的に,病変は胃体中部小彎のoozing様出血を伴い,なだらかに立ち上がる隆起性病変で,頂部にはイクラ状に発赤した細顆粒を認めた.X線的には,胃は脾臓による壁外性圧排が著明で,病変は比較的軟らかい粘膜下腫瘍様であるが,表面細顆粒状変化を伴う粘膜病変の像を呈した.超音波内視鏡で病変は粘膜下層を中心に局在するhypoechoicmassであった.腫大した脾臓は,CT・MRI・血管造影より多発するcystic lesionに占拠され,脾病変を合併したlymphangiomatosisの胃病変と診断した.病理組織学的には,lymphangiomaが粘膜下層を中心に粘膜内を含む胃壁全層に増殖し,脾病変と小網内病変を合併していた.極めてまれな,また特徴的な形態を呈する病変と思われ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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