文献詳細
今月の主題 胃の“pre-linitis plastica”型癌
主題
胃の“pre-linitis plastica”型癌とは
著者: 岩渕三哉1 渡辺英伸2
所属機関: 1新潟大学医学部臨床生態情報学講座 2新潟大学医学部第1病理学講座
ページ範囲:P.863 - P.865
文献概要
linitis plastica型胃癌は種々の肉眼型の胃癌の中でも,初期病変の発見が困難で,患者の予後が悪く,更に特有の発育進展様式と肉眼形態をとることから注目されてきた1)2),本癌型はびまん浸潤型胃癌,4型胃癌,胃スキルスなどとも称されるが,その定義は研究者により異なる.われわれはlinitis plastica型胃癌をびまん浸潤型胃癌の中の一型として用いている.本稿ではびまん浸潤型胃癌の癌巣の特徴から,pre-linitis plastica型胃癌,すなわちびまん浸潤型胃癌の早期の形態について考察した.
びまん浸潤型胃癌におけるlinitis plastica型胃癌の位置づけ組織学的に,粘膜下層以深で癌細胞が単個または小胞巣を形成して,びまん性ないし散在性に浸潤し,間質に著しい線維形成を伴う胃癌の増殖様式は,従来よりスキルス型胃癌と称されてきた.このような癌部は未分化型癌(現行規約の低分化腺癌非充実型,印環細胞癌)を主体とする.
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