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今月の主題 胃の“pre-linitis plastica”型癌 主題
胃の“pre-linitis plastica”型癌とは
著者: 大倉康男1
所属機関: 1埼玉県立がんセンター臨床病理部
ページ範囲:P.866 - P.868
文献購入ページに移動はじめに
linitisplastica(以下LP)型胃癌については様々な考え方が出されていたが,組織発生から発育進展を臨床病理学的に解析した中村1)によるLP型癌の定義と病期分類が現在広く知られている.その病期分類は共に研究をしていた杉山ら2)によって臨床的立場から定義されたものであるが,現在の中村の分類はそれとは変わってきている(Table1).特にpre-linitis plastica(以下pre-LP)型胃癌は異なっており,杉山らは粘膜下層以下への浸潤が胃の1/4以下にとどまっているものと定義しているが,中村はその後の検討からⅡc型sm癌で潰瘍化がなく,癌の胃壁浸潤範囲は粘膜内より少し大きく,胃壁浸潤による肉眼所見の認められないものとし,また,原発巣の大きさは2cm前後あるいはそれ以下としている.そのようなpreLP型癌について粘液形質発現を含めて病理組織学的に検討し,考察した.
linitisplastica(以下LP)型胃癌については様々な考え方が出されていたが,組織発生から発育進展を臨床病理学的に解析した中村1)によるLP型癌の定義と病期分類が現在広く知られている.その病期分類は共に研究をしていた杉山ら2)によって臨床的立場から定義されたものであるが,現在の中村の分類はそれとは変わってきている(Table1).特にpre-linitis plastica(以下pre-LP)型胃癌は異なっており,杉山らは粘膜下層以下への浸潤が胃の1/4以下にとどまっているものと定義しているが,中村はその後の検討からⅡc型sm癌で潰瘍化がなく,癌の胃壁浸潤範囲は粘膜内より少し大きく,胃壁浸潤による肉眼所見の認められないものとし,また,原発巣の大きさは2cm前後あるいはそれ以下としている.そのようなpreLP型癌について粘液形質発現を含めて病理組織学的に検討し,考察した.
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