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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻7号

2000年06月発行

文献概要

今月の主題 胃の“pre-linitis plastica”型癌 主題

“pre-linitis plastica”型胃癌とは

著者: 八尾恒良1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科

ページ範囲:P.871 - P.873

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はじめに

 中村恭一教授1)によって提唱されたpre-linitis plastica型癌は,linitis plastica型癌へ発育進展してゆく条件を十分に備えた癌とされている.中村教授1)は多数の症例の解析から仮説を立てられ,更に仮説を再検討し"Linitis plasticaへの道"を,①pre-linitis plastica型癌期,②潜在的linitis plastica型癌期(latent linitis plastica),③典型的linitis plastica型癌期(typical linitis plastica,以下L-P)の3期に分けておられる.教授の説に異を唱えるつもりは毛頭ないが,教授の述べておられるとおりですと書いてしまえば,原稿はそれで終わり,責を全うできない.筆者2)は20数年前,診断した胃癌症例の診断される以前のX線,内視鏡検査資料を蒐集し,当時九州大学助教授であった渡辺英伸先生の御指導の下にその切除標本の病理学的検索を行い,臨床的な発育進展過程と病理学的所見を丹念に対比検討した経験がある.プロトコールを作製して検討した症例は150例に及んだが,このころ考えた事柄を,中村教授"pre-linitisplastica型癌"の考えにあてはめながら,筆者の考えを述べて御批判を仰ぎたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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