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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻7号

2000年06月発行

文献概要

今月の主題 胃の“pre-linitis plastica”型癌 主題

“pre-linitis plastica”型胃癌とは

著者: 西俣嘉人1 西俣寛人1 松田彰郎1 島岡俊治1 田代光太郎1 仁王辰幸1 大井秀久1 新原亨1 末永豊邦2

所属機関: 1鹿児島共済会南風病院消化器内科 2鹿児島共済会南風病院外科

ページ範囲:P.877 - P.879

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 pre-linitis plastica型癌(以下pre-LP)は中村1)の定義に基づくとlatent linitis plastica(以下latentLP)以前の状態である.latentLPは癌細胞の胃粘膜以外の胃壁各層における拡がりは典型的LPと同じであるが,癌細胞浸潤に伴う線維性組織量は少なく,いまだ線維性収縮が加わっていない状態である.pre-LPは原発巣には潰瘍化がなく,癌細胞の粘膜下組織における浸潤範囲がlatentLPよりも狭く,癌細胞浸潤に伴う線維組織量が少ないもので,このような癌は発見されなければlatentLPに進展する可能性が高い.このpre-LPの定義からもわかるように,Ⅱcの粘膜内癌との鑑別が肉眼的にも困難な症例が当然みられる.すなわち,術前のX線診断・内視鏡診断が難しい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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