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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻7号

2000年06月発行

今月の主題 胃の“pre-linitis plastica”型癌

主題

“pre-linitis”状態における癌細胞の特性―癌細胞の粘液形質ならびに細胞増殖活性

著者: 森田賀津雄1 藤盛孝博1 冨田茂樹1 上田善彦1 石川羊男3 田畑文平3 坂本長逸4 酒井太郎1 寺野彰2

所属機関: 1獨協医科大学病理学(人体分子) 2濁協医科大学消化器内科 3仁愛会田畑胃腸病院外科 4日本医科大学第3内科

ページ範囲:P.927 - P.936

文献概要

要旨 linitis型の増殖因子とそのレセプターに関する検討,更に,粘液形質に関する検討を免疫組織学的に行い,“pre-linitis”状態について言及した.その中で,"pre-linitis"状態として胃底腺領域にできるⅡc-like型あるいはMénétrier型のsm massiveからmp癌が,linitis型の初期変化として重要であることと,線維化の完成にTGF-βRIIの異常と癌細胞の粘液形質からみた脱分化が関与することを示したが,今回,われわれが分類したlinitis型が必ずしも中村の指摘するlinitis plasticaと同じであるとは言えない.われわれが示した体部領域にびまん性に浸潤するlinitis型もまた,中村の定義するlinitis plasticaへの道のmile stoneあるいはその一部を見ているのかもしれない.今回の検討結果は,そういう可能性も含んだ中で,体部領域に拡がる硬化型びまん性癌と潰瘍型癌とを両極に組織学的に細分類し,両者の同質性と異質性をみたものにすぎないと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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