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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻7号

2000年06月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

粘膜下腫瘍様の形態を呈した大きさ15mm大の胃内分泌細胞癌の1例

著者: 泉信一1 野村昌史1 小山内学1 高橋邦幸1 渡辺.晴司1 辻邦彦1 伊藤英人1 潟沼朗生1 姜貞憲1 桜井康雄1 網塚久人1 河上洋1 吉田晴恒1 春山恭子1 真口宏介1 篠原敏也2

所属機関: 1手稲渓仁会病院消化器病センター 2手稲渓仁会病院病理

ページ範囲:P.959 - P.964

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要旨 患者は48歳,男性.主訴は心窩部痛.胃X線および内視鏡検査で,前庭部小彎に大きさ約15mm大でbridging holdを伴う粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.また,隆起の頂部には大きさ約7mm大の不整陥凹を認めた.同部位からの生検で低分化腺癌の診断を得たため,粘膜下層以深に深部浸潤した胃癌と診断し,手術を施行した.病理組織学的には陥凹部の粘膜面の一部に高分化型腺癌を認めたが,腫瘍の主座は粘膜下層にあり,肺の小細胞癌類似の小型の異型細胞が充実性に増殖し,漿膜下層まで浸潤していた.Grimelius染色は陰性であったが免疫染色のchromogranin Aが陽性を示し,また一部にロゼット様構造を認め,胃内分泌細胞癌と最終診断した.胃内分泌細胞癌は,発育進展速度が速く予後不良と考えられている比較的頻度の少ない腫瘍である.今回は画像所見および病理組織学的特徴を中心に報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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