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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻7号

2000年06月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

特異な形態を呈した胃のhamartomatous inverted polypの1例

著者: 小沢俊文1 長南明道1 安藤正夫1 三島利之1 熱海稔1 白根昭男2 望月福治1

所属機関: 1JR仙台病院消化器内視鏡センター 2白根胃腸クリニック

ページ範囲:P.965 - P.970

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要旨 患者は,40歳,女性.胃X線検査では,胃穹窿部大彎に大きなだるま状の隆起性病変を認めた.基部は広基性で表面平滑,頂部は表面不整で結節状を呈していた.内視鏡検査では,基部はやや青白色で健常粘膜に覆われ,クッションサインを認めた.頂部に過形成性ポリープ(HP)を伴う軟らかい粘膜下腫瘍と診断した.EUSでは,頂上隆起部および粘膜下腫瘍上層部に一致して,第2~3層内に高エコー域と多発小無エコーの混在を伴う低エコー域を認めた.更に粘膜下腫瘍深層部に一致して隔壁を有する大きな無エコー域を認めた.基部に関してはhamartomatous inverted polyp(HIP),リンパ管腫などを疑った.確定診断のため,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.組織学的には頂上隆起部はHP,基部はHIPであった.本症例の特殊形態の成り立ちとして,粘膜下の異所性胃腺が粘膜内に侵入後,物理的刺激により二次的にHPが形成されたものと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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