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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻8号

2000年07月発行

文献概要

今月の主題 多発大腸癌 主題

多発大腸癌の検討

著者: 山野泰穂1 工藤進英1 為我井芳郎1 今井靖1 木暮悦子1 松田知己1 原栄志1 工藤由比1 小幡まこと1 前田聡1 沢秀彦1 梅里和哉1 池原伸直1 高見啓央1 大須賀達也1 工藤智洋1 日下尚志1 佐左部大1

所属機関: 1秋田赤十字病院胃腸センター

ページ範囲:P.1014 - P.1018

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要旨 多発大腸癌を同時性,異時性に分類して臨床的側面から検討を行った.対象は過去14年間で当科にて経験した多発大腸癌468病変,同時性多発癌134症例295病変,異時性多発癌64症例173病変であった.同時性,異時性ともに全体として肉眼形態,腫瘍径,占拠部位においては明確な差を認めなかったが,異時性において第2病変以降にLST,陥凹型病変の比率が上昇した.病理組織像において異時性癌ではm癌の比率が同時性よりも高かった.また異時性の進行癌例は4症例5病変が存在した.第1病変の発見から進行癌の出現までの期間は平均39.4か月であった.その背景因子を考察するとLSTや陥凹型病変の介在が示唆され,進行癌の発育進展を考察する上でも興味深いと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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