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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻8号

2000年07月発行

文献概要

今月の主題 多発大腸癌 主題

同時性多発大腸癌の臨床病理学的特徴と分子生物学的特徴

著者: 八尾隆史1 江口浩一2 恒吉正澄1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院形態機能病理 2九州大学大学院病態機能内科学

ページ範囲:P.1019 - P.1026

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要旨 同時性多発癌66症例の臨床病理学的特徴を,単発大腸癌(進行癌83症例,早期癌195症例)と比較した.多発癌では,年齢には差はなかったが,性差では男性に多かった.発生部位は,多発癌は左側優位であり左側同側発生が最も多かった.組織学的には多発癌での腺腫の共存(腺腫内癌)の頻度が高く,その組織発生におけるadenoma-carcinoma sequenceの関与の重要性が示唆された.また,p53遺伝子異常による解析により,すべての症例で同一症例内の個々の病変のp53遺伝子は変異の有無あるいは変異の存在部位が異なっており,大腸における多発癌は多中心性発生が主体であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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