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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻8号

2000年07月発行

文献概要

今月の主題 多発大腸癌 主題

異時性多発大腸癌の検討―サーベイランスの指標を求めて

著者: 碓井芳樹1 山口時子2 岩垂純一1 佐原力三郎1 奥田哲也1 尾島博1 山名哲郎1 近藤健司3 北村成大4

所属機関: 1社会保険中央総合病院大腸肛門病センター 2マリーゴールドクリニック 3社会保険中央総合病院内科 4社会保険中央総合病院病理

ページ範囲:P.1027 - P.1030

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要旨 過去38年間に当センターで内視鏡的治療例,外科的治療例および非切除例の大腸癌(腺癌)3,149例3,542病変について異時性多発大腸癌を検討した.異時性多発大腸癌は2.4%に認め,平均年齢は62.1歳,男女比は1.88:1であった.進行癌+早期癌の組み合わせが最も多くみられた.占拠部位は,第1癌の口側に発現する傾向があり,特に右半結腸に多くみられた.発現間隔は,平均6年で1~26年の長きにわたっていた.発現期間の分布をみると,3年未満の比較的早期と5年以上の2峰性を示していた.3年未満のものは見逃しの可能性を否定できず,3年以上のものを異時性と定義することを提案したい.また,術後の経過検査は必要であるが,5年以上経過しても全大腸,特に右半結腸に重点を置いた定期的な検査が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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