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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻8号

2000年07月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

孤立性斑状胃粘膜萎縮により範囲診断が困難であった重複早期胃癌の1切除例

著者: 木田芳樹1 大井田正人1 田辺聡1 鹿間伸明1 北村匡1 山崎好喜1 渡辺摩也1 山崎いずみ1 木田光広1 小泉和三郎1 三橋利温1 三富弘之2 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科 2北里大学東病院病理部

ページ範囲:P.1085 - P.1090

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要旨 患者は56歳,女性.20年来検診を受けているが異常を指摘されたことはない.1997年10月の検診を契機に上部消化管内視鏡検査で胃角対応大彎後壁に広い褪色調領域とこの後壁側辺縁に2か所の小さな不整形陥凹を指摘された.内視鏡的には前者の褪色域も癌浸潤の範囲と考えられたが,生検で癌細胞は証明されず,後者からのみ低分化腺癌が認められた.切除標本の病理組織学的検討では,癌の浸潤は辺縁の2つのⅡc領域にとどまっており,褪色域は胃底腺領域に孤立性に存在する斑状萎縮粘膜であった.現在のところ斑状萎縮粘膜は胃病変として広く認知されているとは言い難いが,その画像診断的特徴や発生機序の検討,更には早期胃癌などとの鑑別が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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