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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻8号

2000年07月発行

文献概要

症例

中部小腸に発生したカルチノイド腫瘍の1例

著者: 平川克哉1 松本主之2 加藤秀典2 中川真宗3 田中圭一3 明星辰也3 梶原英二3 佐渡島省三3 小野山薫1 八尾隆史4 橋本洋5

所属機関: 1新日鐵八幡記念病院内科 2九州大学付属病院光学医療診療部 3新日鐵八幡記念病院外科 4九州大学大学院形態機能病理学 5産業医科大学第1病理学

ページ範囲:P.1097 - P.1102

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要旨 患者は71歳,男性.約12年前より間欠的に腹痛を繰り返すため当院を受診した.経口小腸X線検査では中部小腸に口側腸管の拡張を伴う狭窄を認めた.ゾンデ法小腸X線検査では,狭窄部に一致して辺縁平滑な陰影欠損,偏側性の硬化像,および狭窄部の不整陰影斑を認めた.小腸腫瘍の診断下に開腹手術を行ったところ,術中内視鏡検査で上記X線所見に合致する所見が得られた.病理組織学的には腸間膜根部のリンパ節転移を伴う回腸カルチノイド腫瘍で漿膜下に浸潤していた.本邦では,カルチノイド腫瘍が中部小腸に発生することはまれと考えられるが,自験例はゾンデ法小腸X線検査と術中内視鏡検査でカルチノイドの所見を確認しえた貴重な症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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