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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻9号

2000年08月発行

文献概要

今月の主題 薬剤性腸炎―最近の話題 主題

NSAID起因性腸病変の臨床的検討

著者: 五十嵐正広1 勝又伴栄1 小林清典1 佐田美和1 横山薫1 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科

ページ範囲:P.1135 - P.1145

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要旨 NSAID起因性腸疾患の診断は,既存の腸疾患が否定され,発症や経過からNSAIDとの関連が明瞭であることを基準とした.男性13例,女性10例を診断した.その臨床的特徴として,NSAID短期投与例(1か月未満)では,下血を主症状とし,病変は回盲弁や終末回腸に多く,浅い略円形潰瘍で多発し,易出血性のことが多い.噴出性の出血を認めた3例にクリップによる止血が効果的であった.発症はNSAID服用後最短で3日後に出現していた.長期投与例(1か月以上)では,腹痛や下痢,出血などを繰り返していたが診断されていなかったものが多く,略円形潰瘍のほか狭窄を伴うものがみられた.NSAID起因性腸病変の診断はその特徴を知り,可能性を疑うことが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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