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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻9号

2000年08月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

食道胃接合部の食道粘膜より発生し胃側へ発育進展した1p型扁平上皮癌の1例

著者: 入口陽介1 細井董三1 山村彰彦2 小田丈二1 須田泰史1 中橋栄太1 大浦通久1 斉藤雄介1 知念信昭1 中村尚志1 益満博1 中井呈子1 山田耕三1 岡田利邦1 由里樹旺3 南智仁3

所属機関: 1多摩がん検診センター消化器科 2多摩がん検診センター検査科 3都立府中病院外科

ページ範囲:P.1203 - P.1209

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要旨 患者は66歳の男性.特に自覚症状はなく,胃集団検診を受けたところ噴門部の隆起性病変を指摘され当センターを受診.上部消化管内視鏡検査では,噴門部小彎側に厚い白苔を伴った大きさ約4cmの半球状の隆起性病変を認め,水洗すると表面は結節状であったが正常粘膜に近い構造が保たれていた.ヨード染色では隆起は全体的に不染を示していたが,扁平上皮の存在を示唆する濃染粘膜が島状に認められた.またヨード不染帯は,口側の食道粘膜に一部連続しており,食道粘膜との関連が示唆された.隆起表面の生検で扁平上皮癌が検出された.胃精密X線検査では,病変は表面結節状の亜有茎性の半球状隆起で,食道側から1本の太いひだの引き込みがみられた.切除標本の病理組織学的検討から,食道扁平上皮癌が噴門部を中心に1p型に発育進展した病変と診断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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