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文献詳細

雑誌文献

胃と腸35巻9号

2000年08月発行

症例

直腸MALTリンパ腫の1手術例

著者: 久保義郎1 栗田啓1 棚田稔1 高嶋成光1 土井俊彦2 万代光一3 西川芳之4

所属機関: 1国立病院四国がんセンター外科 2国立病院四国がんセンター内科 3国立病院四国がんセンター病理 4西川内科消化器クリニック

ページ範囲:P.1210 - P.1214

文献概要

要旨 直腸原発MALTリンパ腫の1切除例を経験した.患者は48歳の女性.主訴は下血.下部消化管内視鏡検査で肛門縁から5cmの部に隆起性病変を認め,生検にてMALTリンパ腫が疑われ,低位前方切除,D2リンパ節郭清を施行した.組織学的にはcentrocyte-like cellの浸潤増殖を認め,MALTリンパ腫と診断した.腫瘍細胞は壁全層性に外膜結合織まで達し,直腸傍リンパ節に転移を認めた.MALTリンパ腫は長期間局所にとどまり予後良好と言われているが,壁深達度が固有筋層を越えて深く浸潤している場合には,リンパ節転移の可能性もあり,QOLを考慮しながらも進行直腸癌に準じたリンパ節郭清を伴う切除を選択すべきと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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