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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻1号

2001年01月発行

文献概要

今月の主題 表層型胃悪性リンパ腫の鑑別診断―治療法選択のために 主題

表層型胃悪性リンパ腫の病理学的鑑別診断―特徴的な肉眼形態と組織像

著者: 横井太紀雄1 中村常哉2 中村栄男3

所属機関: 1愛知医科大学病院病理部 2愛知県がんセンター消化器内科 3愛知県がんセンター遺伝子診断部

ページ範囲:P.13 - P.20

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要旨 胃MALTリンパ腫の多くはHelicobacter Pylori(Hp)関連慢性活動性胃炎の連続病変と考えられる.したがって,組織学的に鑑別診断として最も問題となるのはリンパ装置の発達した胃反応性病変であり,胃癌との鑑別も問題となることがある.胃のリンパ増殖性病変を生検材料のみで診断するのはときに難しいことから,胃リンパ増殖性病変をHp除菌療法の反応によって病態を分類することは有用である.肉眼的に隆起型を示すMALTリンパ腫は除菌無効な症例が多く,慢性活動性胃炎を背景に持たないものも多い.更に隆起型を示すものや除菌無効例ではt(11;18)(q21;q21)染色体転座が認められる.t(11;18)(q21;q21)染色体転座は胃のリンパ増殖性病変の本態を理解するうえで非常に重要であり,臨床的には除菌に対する反応性の予測にも有効と期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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