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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻1号

2001年01月発行

今月の主題 表層型胃悪性リンパ腫の鑑別診断―治療法選択のために

主題

表層型胃悪性リンパ腫と慢性胃炎の内視鏡的鑑別診断

著者: 横田欽一1 田邊裕貴1 渡二郎1 佐藤智信1 柴田直美1 蓑口まどか1 斉藤裕輔1 高後裕1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科

ページ範囲:P.61 - P.68

文献概要

要旨 表層型胃悪性リンパ腫の内視鏡所見の特徴を慢性胃炎と対比して解説した.自験例23例中19例(83%)はlow-grade MALTリンパ腫またはその成分を含んでいた.深達度は19例(83%)がsm,H.pyloriは18例中15例(83%)が陽性であった.多発びらん型病変は,やや厚みのある粘膜混濁領域に多発性の小円形びらんを混在するもので,平坦びらん性胃炎,萎縮性胃炎と区別される.敷石粘膜型病変は“溝状びらんに囲まれた粗大顆粒像”を呈するが,同所見を呈する特異な慢性胃炎が存在する.限局性皺襞腫大型病変の表面には微細な凹凸や発赤びらんがみられ,皺襞腫大性胃炎と区別される.多発たこいぼ型病変とリンパ球性胃炎との鑑別は困難である.組織学的にMALTリンパ腫と異なる胃RLH症例が存在し,内視鏡的に潰瘍型悪性リンパ腫様であるが,抗潰瘍治療により平坦粘膜に治癒するという特徴がみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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