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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻1号

2001年01月発行

文献概要

今月の主題 表層型胃悪性リンパ腫の鑑別診断―治療法選択のために 主題症例

悪性リンパ腫を疑い除菌療法にて著明な改善を認めた胃潰瘍性病変の1例

著者: 森田重文1 川口実1 森安史典1

所属機関: 1東京医科大学第4内科

ページ範囲:P.75 - P.80

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要旨 症例は32歳,男性.心窩部痛を主訴に近医を受診.上部消化管内視鏡検査にて多発性胃潰瘍と診断され,H2RAやPPIの投与を受ける.しかし,潰瘍の治癒傾向が全く認められず,悪性リンパ腫なども否定できず精査目的に当科受診となる.当院で行った胃内視鏡検査でも多発性不整形潰瘍を認め,悪性リンパ腫を強く疑った.胃生検組織所見や全身検索の結果,悪性リンパ腫の確証は得られなかった.そこで,Helicobacter pylori陽性のPPI抵抗性難治性潰瘍として除菌療法を行ったところ,潰瘍の著明な改善を認めた.以後の経過観察中に脾臓に腫瘤性病変が発生した.脾摘を行い病理組織学的にPTCL(peripheral T-cell lymphoma,unspecified)と診断された.胃病変は全経過を通じて再発を認めなかった.胃病変と脾腫瘍は現時点では別病変と考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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