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文献詳細

雑誌文献

胃と腸36巻1号

2001年01月発行

文献概要

症例

早期梅毒性肝炎を合併した梅毒性直腸炎の1例

著者: 岸健太郎1 田村茂行1 水谷澄夫1 金子正1 宮内啓輔1 上村佳央1 請井敏定1 西岡清訓1 金成泰1 吉田浩二1 松山仁1 山下憲一2 岡川和弘1

所属機関: 1公立学校共済組合近畿中央病院外科 2公立学校共済組合近畿中央病院病理部

ページ範囲:P.110 - P.114

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要旨 患者は59歳,男性.1997年5月肛門痛が出現し近医を受診,直腸癌疑いにて当院紹介となった.入院時検査では軽度の炎症反応と肝機能異常を認め,大腸内視鏡検査にて歯状線口側の左側前壁に周堤隆起を伴う,不整形だが辺縁は比較的明瞭な易出血性の潰瘍を認めた.組織診断の結果では悪性細胞は認めず,好中球,形質細胞の浸潤の著しい出血を伴う炎症性病変が主体であった.3回の組織診を施行するも結果は同様であった.梅毒血清反応が強腸性のためbenzyl-penicillin benzathineによる治療を開始,肝機能障害および直腸潰瘍の改善を認めた.梅毒性直腸炎に早期梅毒性肝炎を合併した1例と考えられ,検索した限りでは本邦報告2例目であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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