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今月の主題 縮小治療のための胃癌の粘膜内浸潤範囲診断 序説
縮小手術のための胃癌の粘膜内浸潤範囲診断
著者: 大谷吉秀1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科
ページ範囲:P.1227 - P.1228
文献購入ページに移動縮小手術と粘膜内浸潤範囲診断の重要性
早期胃癌症例の増加に伴い,術後のquality of lifeをより重視した手術方法が求められるようになってきた.しかしながら,従来の治療方法であれば治癒に持ち込める症例に対して,縮小した治療が選択されたためにその根治性が犠牲にされることがあってはならない.早期胃癌の治療方針を決める際に深達度診断と水平方向の拡がりの診断は重要である.後者については,随伴Ⅱbにみられるような診断に苦慮する症例に出くわさないとも言えない1)2).生検により初めて癌と診断されるような症例もある3).温存する部分は温存し,切除すべきは完全に切除するといったメリハリのある治療を目指すために浸潤範囲の診断は重要である.
早期胃癌症例の増加に伴い,術後のquality of lifeをより重視した手術方法が求められるようになってきた.しかしながら,従来の治療方法であれば治癒に持ち込める症例に対して,縮小した治療が選択されたためにその根治性が犠牲にされることがあってはならない.早期胃癌の治療方針を決める際に深達度診断と水平方向の拡がりの診断は重要である.後者については,随伴Ⅱbにみられるような診断に苦慮する症例に出くわさないとも言えない1)2).生検により初めて癌と診断されるような症例もある3).温存する部分は温存し,切除すべきは完全に切除するといったメリハリのある治療を目指すために浸潤範囲の診断は重要である.
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